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最高裁が「管理組合は占有者にあたる」と判断

  • 執筆者の写真: 山崎清博
    山崎清博
  • 21 時間前
  • 読了時間: 3分

最高裁は2026年1月、マンション管理組合が共有部分の管理・修繕を行う際、民法717条の「占有者」に当たるとの初判断を示しました。


これにより、共用部の瑕疵による漏水等の損害賠償責任は、原則として管理組合が負うこととなり、高経年マンションの管理リスクが浮上しています。


──共用部トラブルの責任範囲が大きく変わる可能性──

マンション管理に携わる皆さんにとって、今回の最高裁判決は見逃せない大きなニュースです。最高裁は、共用部分の不具合によって発生した損害について、管理組合が「占有者」にあたる と明確に判断しました。この判断は、管理組合の責任範囲や日常の管理体制に直接影響する可能性があります。本記事では、判決のポイントと、管理組合として押さえておくべき実務上の注意点を整理します。


■ 最高裁が示した「占有者」としての管理組合

 今回の裁判では、共用部分の不具合(例:外壁タイルの落下、手すりの腐食、配管の漏水など)によって第三者に損害が生じた場合、誰が責任を負うのかが争点となりました。最高裁は次のように判断しています。

  • 管理組合は共用部分の維持管理を行う主体である

  • 実際に管理・支配しているのは管理組合である

  • よって、民法上の「占有者」に該当する

  • そのため、共用部分の瑕疵による損害について、管理組合が責任を負う可能性がある

つまり、「管理会社に委託しているから管理組合は責任を負わない」「資金がないから修繕ができなかった」という考え方は通用しないということです。


■ 管理組合に求められる姿勢が変わる

 今回の判断は、管理組合に次のような実務的な影響を与えます。

① 「知らなかった」では済まされない

共用部分の不具合を放置した場合、管理組合が損害賠償責任を問われる可能性が高まります。理事会の認識不足や、点検の怠慢はリスクになります。

② 管理会社任せの運営は危険

管理会社はあくまで「受託者」であり、最終責任は管理組合にあるという構造がより明確になりました。委託契約の内容や、報告体制の見直しが必要です。

③ 修繕計画・点検体制の強化が必須

  • 長期修繕計画の更新

  • 定期点検の確実な実施

  • 不具合の早期発見

  • 住民からの通報の記録と対応

    これらが、管理組合の「安全配慮義務」を果たすための重要な要素になります。

④「資金がない」では済まされない

必要な管理費や修繕積立金を組合員から徴収するなどの資金計画は管理組合の責任です。損害賠償責任保険の準備なども問われるでしょう。(外壁や配管トラブルは特約扱い)

理事会の認識不足や、計画の怠慢はリスクになります。


■ 管理組合が今すぐ取り組むべき3つの対策

点検・報告体制の見直し

  1. 管理会社からの報告が形式的になっていないか、

    理事会として確認する仕組みを整えることが重要です。

  2. 長期修繕計画、資金計画の実効性をチェック

    計画が古いまま放置されていないか、資金は足りているか、

    長期的観点での準備がより強く求められます。

  3. 理事会のリスク管理意識の共有

    「管理組合が占有者として責任を負う」という事実を、理事全員が理解しておくことが不可欠です。


■ まとめ:管理組合の責任はさらに重く、「言い逃れ」出来なくなった

 今回の最高裁判決は、管理組合がマンションの安全管理の主体であるという立場を改めて強調するものです。管理会社に任せきりにするのではなく、理事会が主体的に状況を把握し、適切な判断を行うことがこれまで以上に求められます。


 マンションの安全は、管理組合の判断と行動によって守られます。今回の判決を機に、管理体制を見直す良い機会にしていただければと思います。

 
 
 

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