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まずは相談する勇気から

執筆者の写真: 山崎清博山崎清博

更新日:3 日前

マンション管理組合はいま多くの問題に直面しています。理事長さんはじめ理事の皆さんは、どのように向き合っていらっしゃるでしょうか。もしかして「問題はわかっているが先送りしたい」「次の理事長がやってくれる」「自分が苦労することはない」「下手に積立金の値上げをすれば住民から恨まれる」「自分も歳だそんな元気はない」などと思っていらっしゃいませんか?


実はこのようなことを深刻な問題として、正直に訴える理事長さんから相談を受けるケースが増えてきました。本当にこれでいいのかと。そのお気持ちわかります。


特に任期一年で理事改選の管理組合に多いような気がします。


問題を直視せず、他所のマンションの情報も知らず、どこにも相談せず、管理会社任せで月一回の理事会で目の前の業務処理だけ済まし、任期が終わるのを待っている。残念ですが、そんな管理組合さんが多いのもまた事実です。そして、これこそがマンション管理組合の問題を更に深刻化させています。


最近私が相談員を務めた管理組合の交流会で、参加された理事長の皆さんが揃って訴えたのは、役員のなり手不足、高齢化、建物の老朽化、管理会社への不信、資金不足など、ほぼ全てのマンションに共通する問題でした。実は理事長の皆さんはお互い同じ問題に直面していたのです。


役員のなり手不足

役員を引き受ける人が少なく、老人ばかりが残っているという実情があります。ある理事長さんは(できない話ですが)賃借人を理事に据えるしかないのではとまでお悩みでした。


住人の高齢化

住人全員が80代のマンションも例外ではなくなりました。高齢者が多いマンションでは、管理組合の維持・運営そのものが難しくなっています。今や待ったなしです。


建物や設備の老朽化

特に給排水管の交換は計画的に手当てをしなければ、資産価値に大きく影響します。


資金不足

ある管理組合では、年金暮らしの住人に積立金の値上げに絶対反対と言われ、住民の意見と修繕費用の増大に挟まれてジレンマに陥り、立ち往生している理事長さんがいます。


これらの問題の根底には、内部だけで処理しようというマンション管理組合の閉鎖性があります。住民間のコミュニケーションが不足し、他の管理組合との交流もなく、専門家の話を聞くこともない。問題が深刻化しているにも関わらず、相談もせず、役員揃って見て見ぬふりをして先送りばかりしている、そんな管理組合が多いのが実情です。


交流の重要性

今回の管理組合の交流会では、参加者たちが悩みを寄せ合い、前向きに話し合い、共感を深めつつ問題解決に取り組む姿を見せてくれました。


交流することで、自分で気付かない問題に、他所のマンションに指摘されて初めて気付く、そして解決手段を教えてもらう、そんなシーンを数多く見てきました。人は話し合うことで、他の同じ悩みの他人から学び、励まされ、専門家の意見を取り入れることで前向きになれるのです。


相談する勇気


まず外に出て、相談しましょう。

専門家の相談会や県・市が主催する管理組合交流会があちこちで盛んに催されています。私が所属する神奈川県マンション管理士会でも毎週「無料相談会」を開催していますので、いつでもいらっしゃってください。


勇気をもって問題解決に向けた一歩を踏み出しましょう。そこには同じ悩みを持つ仲間がいます。寄り添う専門家がいます。心を開き、情報を寄せ合い、周りのマンション管理組合や専門家と一緒に解決に取り組んでください。


まずは話し合う、相談する。

道はそこから開けます。







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